【中国経済】都市部と農村部における格差の要因 【解説Part2】

今回の記事も中国の経済についてである。まさか本当に続くとは自分でも思ってもみなかった。

単刀直入、早速だが中国における都市と農村部の格差について書いていく。貴方は中国に行ったことがあるか。私はある、もし中国に行ったことがある人ならその格差の一端に触れることが出来たのではないだろうか。基本的には観光なら都市部であるとは思うがその都市の中でも少し外れればいきなり貧困が垣間見える。加えてもし貴方が農村部にも少し立寄ったのなら都市部とのその発展の差に驚いただろう。中国に実際行ったことのあるなしに関わらず中国が大きな格差を抱えている事はある程度想像がつくことであろう。

今回はその中でも中国における都市部と農村部における経済格差について書いていく。
また、この記事では都市部と農村部における所得格差、その中でも移転所得についてのみ触れる。

 

そもそも中国人の所得は給与所得、移転所得、経営所得、資産所得に区別される。
今回は先程も述べた通り移転所得について記述していく。

移転所得とは政府の社会保障や企業の福利厚生等の副次的な収入を指す。
2013年平均移転所得の農村部と都市部の格差は8.9倍である。この差は非常に大きくほかの3種類の所得と比べ最も差が大きい。そのため、都市農村間の格差拡大における最重要事項とも言える。この移転所得の格差の要因は幾つかあるがその最たるものは戸籍制度にある。


中国では1985年より戸籍制度が改められ、農村住民と都市住民が別の戸籍で管理されている。そして、社会保障制度は戸籍制度に基き管理されている。これはつまり戸籍制度により社会保障制度が異なるということを示す。
この事を初めて知る人は衝撃を受けるであろう。国民の生まれた場所によってそもそも社会保障制度が異なるというのは日本に生まれた私達には想像もつかない。この内容であるが当然、都市部の方が手厚い保護が存在する。具体的には医療や教育、年金が都市部の社会保障制度には存在するのに対して農村地域では低水準の養老保険や貧困補助のみである。また、農村ではそれに加え養老保険の加入率も低い。


中国における都市部と農村部における移転所得格差の主たる原因が少しはわかったであろうか。今回の記事はこれくらいにして終える。中国経済についての記事はまた書くかもしれないし、書かないかもしれない。