【中国経済】新常態(ニューノーマル)とは何か 【解説】

今回から連続して中国経済に関する記事を投稿していく(かもしれない)。理由に関しては特にないかが敢えて言うなら私が今それを考えていてここはその思考を垂れ流す場所であるという事だ。

また、私の作成する記事は基本的には事実関係の整理メインであり何か革新的な意見を持っていて発表するという訳では無い。更に、参考にした文献などを明記するつもりもない。しかし、嘘をつくつもりもないのでもし参考文献について聞きたい方はコメントかTwitterに連絡されたし。では次から早速本題に入る。

今回の記事のテーマは「新常態」についてである。では解説していく。

 

新常態とは文字通り新しい常態の事である。中国に限らずリーマンショック以降、従来の姿に戻ることの出来ない経済状況を指し示したものだ。

中国では2011念頃から新常態に入ったと言われている。2013年中国の国務院発展研究センターによると中国は高度成長期から中高速成長期に突入し新常態の時代が入ると述べた。

習近平氏が2014年河南省を視察した際に新常態について触れそれ以降中国経済を語られる上で外せないワードとなった。

では新常態の特徴とはなにか?習近平氏は2014年9月のAPECサミットで3つの特徴を述べた。

  1. 高度成長期から中高速成長への転換
  2. 経済構造の最適化
  3. 成長方法の変化(要素駆動投資駆動からイノベーション駆動へ)

これらが最もわかりやすい特徴であるがその他の特徴についてまとめてみる。

個性化多様化した消費,インフラと相互接続し新技術、新製品新、ビジネスモデルへの投資,中国の低コストメリットではなく海外からハイレベルな技術導入と海外進出により輸出入の変化,生産の小型化、専門化,高齢化と人員不足のため投入量の減少,数量拡大、価格競争から質の重視へ,環境を配慮し循環型社会の新モデルの誕生,バブルの解消(時間がかかる)過剰生産の終焉と新しい産業発展,経済成長率は10%から7%へ,労働生産性の向上,安定水準の国民生活、中間層の拡大,サービス業の発展,シャドーバンキング、地方政府の債務問題、不動産バブルに関わるリスクの顕在化等である。

 

では逆に旧常態とは何だったのか。

高い貯蓄率に支えられた高い投資率、生産コストの低さに支えられた製造業、環境への無配慮、資源対価、農民工に代表される労働者の低人権状態によって成された高度成長期の事である。

といってもこれだけではわからない人も多いと思うので上記の説明の中で出てきたワードについて少し細かく見ていってみよう。

 

高い貯蓄率と投資率

1978年から2000年まで国民貯蓄率35~40%

2007年には51.8%に到達

 

輸出の高成長

1979年から2012年で75倍になる(輸出額)

2013年までの10年間平均23%の輸出成長

当然GDP貢献率も高く、1990年と2005年では50%近い。

 

低生産コスト

労働力や土地、自然資源等の要素価格の低さが製造業において国際競争で優位性を持ちメイド・イン・チャイナの時代

世界の工場として覇権

 

環境への無配慮

ご存知の通り中国の自然環境は最悪の状態にある。環境汚染はピークに達したたも言われる。環境保護NGOは2600団体以上存在、環境被害調査の遅れから「がんの村」の存在、救済措置の遅れ、地方政府の開発優先政策

 

農民工に象徴される労働者の低人権状態

農民工という農村からの出稼ぎ労働者への待遇の悪さ

2003年製造業では68.2%建設業では79.8%が農民工であるが2009年の調査によると農民工雇用契約を結んだ企業は全体の42.8%

 

以上が、基本的な旧常態の特徴である。ここまで読めばわかったと思うが中国は現在も旧常態の課題を多く残している。中国の新常態とは現状の事を指す言葉として使われることもあれば、未来のあるべき形を指すこともある。この辺りの定義は特にされていないが現状の中国を一言で表すなら過渡期である。

最後に現在の中国の課題について少し言及し終える。

新常態での課題

第一は財政、金融リスクである。

地方政府は多額の債務を抱えており、その償還資金として土地を指定しているものは37%も存在する。その中で経済成長の鈍化により地価の下落より不良債権の発生も発生する。

 

第二に非貿易部門の生産性である。

製造業は先進国に遜色ない水準まで成長しているがサービス業に代表される非貿易部門、つまり国内産業であるがその労働生産性が先進国に対し大きく遅れをとっている。

 

第三に新しい成長フロンティアの開拓である。

ゆるやかな経済成長を維持し支えるためには既存のもの以外での成長の駆動力が必要となる。そこでサービス業や技術だけでなく組織や制度のイノベーションが課題とされている。

 

これで今回の記事は終わる。因みにこの中国経済シリーズは続く(かもしれない)、需要がなくても書き続ける(かもしれない)のだ。また、文章がまとまっておらず単語の羅列のようになってしまった部分は申し訳ない。